UIターンを実施する際にぜひ押さえておきたいのが移住支援制度である。
コロナ禍や遠隔でも仕事ができるオンライン環境の発達により、都会の喧騒から離れて自然豊かな地方で暮らしていきたいと、地方への移住を考える人が増えている現在。そんな地方への移住を検討する人を後押しする制度である「移住支援制度」は国や自治体ごとに非常に充実している。そのおおまかな内容について本コラムで紹介していく。
目次
移住支援制度とは国や地方自治体が主体となって展開している、都市部から地方への移住を支援する制度のこと。
都市部への人口一極集中の是正と、地方産業の担い手不足の解消が目的とされ、国と地方自治体それぞれが経済的な支援を中心に実施している。
国が行っている主な支援制度は、移住支援金と起業支援金。これらの支援金は併用も可能だ。
東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外(※1)へ移住し、起業や就業等を行う方に、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業のこと。
※1 東京圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)以外の地域と、東京圏内の条件不利地域
対象者は次の3つすべてに該当する方。
1. 東京圏(条件不利地域を除く)から東京23区へ移住直前の10年間のうち通算5年以上通勤(通学期間も含む)している者
2. 東京圏外の都道府県または東京圏の条件不利地域へ5年以上居住する意思のある移住者
3. 地域の中小企業等への就業やテレワークにより移住前の業務を継続、地域で社会的起業などを実施
交付金は100万円以内(単身の場合は60万円以内)で都道府県が設定する額となる。また、地域での中小企業等への就業に関しては、移住支援金の対象として都道府県のマッチングサイトに掲載されている求人もしくはプロフェッショナル人材事業・先導的人材マッチング事業を利用して就業することが求められる。
地域の課題解決に資する社会的事業を新たに起業する方を対象に、最大200万円の支援を通して、効果的な起業を促進し、地方創生を実現することを目的とした事業。この支援制度は、国の財源を元に都道府県が主体となり、2019年から6年間を目処に実施している。
対象者は以下に該当する必要がある。
1. 東京圏外の都道府県または東京圏の条件不利地域において社会的事業の企業をおこない、また居住においても企業地の都道府県内であること
2. 公募開始日以降、補助事業期間完了日までに、個人開業届又は法人の設立を行うこと
また当支援金は事業承継や第二創業の場合も当てはまるケースがある。
各都道府県の自治体が独自に行っている移住支援制度もある。代表的な支援制度は以下の通り。
・住まいに関する支援制度
・子育て、教育に関する支援制度
・起業、仕事に関する支援制度
以上のような支援金を活用することで、UIターンへのハードルはぐっと下がるだろう。一方で支援の充実度のみで移住先・就業先を選ぶというのは本質的なUIターンの目的からは逸れる結果となるかもしれない。いずれにせよ、UIターンの目的を明確にし、さまざまな情報を集約したうえで移住先を選ぶことが重要となってくるだろう。
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