2022.10.26

地方転職で後悔しないための注意点

都心から離れた、新たな環境での生活が手に入る地方転職。移住を伴うことから人生における大きな決断が必要である。 そんな地方転職をする際の注意点を本記事では紹介していく。

目次

  1. 移住動機を明確にすること
  2. キャリアを明確にすること
  3. 情報収集は現地とWEB両方ですること
  4. 地域のコミュニティーを調べること
  5. 生涯コストを試算すること
  6. まとめ

1.移住動機を明確にすること

一般的な移住を伴わない転職に対し、生活環境の変化を伴う地方転職。転職動機とは別軸で、移住という生活の変化を起こすことに対する動機を明確にしておくことで、転職後のミスマッチやギャップ対策になる。

例えば、
・自然に囲まれた暮らしを確立したい
・地域コミュニティーに携わりたい
・時間に追われる毎日から離れて、生活に自然なリズムを取り戻したい

地方転職の動機はさまざまだが、「暮らし」が大きく変容する点に関しても目的意識を明確に持つことで、地方転職後の生活がより充実するだろう。

2.キャリアを明確にすること

都心では、企業のネームバリューを盾に、積み上げたキャリアを転職に生かし、徐々に年収を増やしていくというキャリアの考え方がある一方、地方ではそのようなキャリアの積み方はあまり当てはまらない。

キャリアを考える際に、仕事という側面に濃く焦点を当てる都市型のキャリア志向に対して、仕事と生活2軸に濃く焦点を当てるのが地方型のキャリア志向と言える。

長い目で将来を見た際に、どのように人生を豊かにしていきたいのか、どのような生活を送るためにその地へ移住しその仕事を選択するのか、考え方の違いを理解し、地方型のキャリア志向を用いて転職準備を行うことで、転職後のミスマッチを防ぐことができるだろう。

3.情報収集は現地とWEB両方ですること

現在はネットを通じて地方であっても多くの情報を得ることができる。しかし、その土地の気候や人柄、雰囲気、実際の交通手段や生活の利便性など、直接現地に赴くことで確かめられる情報がまだまだ多いのも事実だ。

比較的長距離な住居の移転を伴う地方転職だからこそ、現地に赴いてのリアルな情報収集が大切だといえる。

その際に役立つのが、「お試し移住」だ。お試し移住とは、実際に地域で短期間暮らすことで移住を検討できるように、一部の市町村が用意している制度である。
地域の主要施設案内、先輩移住者や住民との交流、就労体験などの体験プログラムがセットになっていることもあるため、移住後に後悔しないためのよりリアルな情報を取得することができるだろう。

4.地域のコミュニティーを調べること

UIターン転職の魅力の一つに、その地域に根差したコミュニティーとの関わりがあげられる。

現在はSNSを通して地域の特色をリアルに発信している企業や団体も少なくない。リアルな情報を集めようと思ったら、こういったSNSを通じて事前にその地域のコミュニティーとつながる、というのも地方転職を円滑に進める一つの手段である。

5.生涯コストを試算すること

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、都道府県別の平均年収ランキングは

1位 東京都
2位 神奈川県
3位 愛知県
4位 大阪府
5位 京都府

と上位は都市のある都道府県が多いことがわかる。これらの都道府県から別の都道府県に転職した場合、収入が下がってしまう可能性がそれだけ高いということも考えられる。

一方で着目すべきデータもある。収入のうち、税金や社会保険料などを除いた自分で自由に使える手取り収入、可処分所得からさらに生活にかかる基礎支出を差し引いたものを国土交通省がランキングしている。

1位 三重県
2位 富山県
3位 茨城県
4位 山形県
5位 福井県

このように収入だけでなく、生活にかかる支出も含めて見積もると、地方での生活は都心での生活よりも経済面でも豊かになる可能性があるのだ。

収入に惑わされず、生涯賃金の見通しをたて、ある程度の生活コストを試算することは、地方転職を成功させるためにも重要だといえるだろう。

6.まとめ

UIターン転職だからこそ注意するべき点を踏まえることで、転職や移住のミスマッチを格段に下げることができる。
通常の都心における転職よりも事前準備を慎重に行う分、準備段階で得られる視点が多いのも地方転職の魅力の一つといえるだろう。

仕事という側面のみならず暮らしにも焦点を当て、まさに人生全体をどうデザインしていくかを設計していく作業。地方転職で後悔しないための事前準備は、人生を後悔せずに生きるための準備ともいえるだろう。

しっかりと情報収集を行い、後悔しないUIターンを実現しよう!